■ソニー■ 新製品や事業展開について説明 リモート制作システムを強化 クラウドやAIの活用も拡充へ

制作用カメラ「FX6」
【Inter BEE 2020 ONLINE レポート】
 ソニーはInter BEE 2020 ONLINE開催初日、記者説明会をオンラインで開催し、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズの喜多幹夫・メディアソリューション事業担当VPと、ソニービジネスソリューション(SBSC)の古田了嗣社長が最新製品や事業展開について説明した。  ソニーは現在、「リアリティ」「リアルタイム」「リモート」の3つの「R」の技術に着目することで、高付加価値コンテンツの制作と高効率ワークフローの実現を目指している。
 リモートライブ制作では今年9月、SDN(Software Defined Network)によってルーティング制御できる技術を持つネビオン社を子会社化することで、IP/クラウドベースのリモート制作システムを強化した。
 喜多氏は「ソニーのIP Liveは世界で120以上の中継車やスタジオシステムに採用され、約60だった昨年から倍増した。今も大型投資を含めた案件が動いておりIP化は堅調に進むと考えている。国内ではローカル局から地方局まで41システムが決まっている」と説明。RSK山陽放送は、国内初だというST 2110によるオールIP局舎を21年から稼働すると話した。
 クラウドやAIの活用システムでは、協業制作ツール「Ci メディアクラウドサービス」や、クラウドベースのコンテンツ管理システム「メディアバックボーンナビゲーターX」、AI分析を制作工程とつなぐ「メディアアナリティクスポータル」などを展開する。
 古田氏は、TBSテレビがソニーのAIエンジンを利用した自動字幕生成システムの実運用を始めたことを紹介し、「1年間の実証実験の結果、1時間未満の番組で約3人必要だった字幕起こしのスタッフを1人に抑えられた。TBSテレビによれば精度は95%を実現できている」と話した。
 撮影関連では12月11日に発売する小型の制作用カメラ「FX6」(本体のみ72万6000円、税別)を発表した。フルサイズの裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、15ストップを超えるダイナミックレンジなど高い表現力と、一眼カメラ「α」ゆずりの強力なAFを搭載している。

関連サイト:www.sonybsc.com/